コラム日和
知っておきたいマナー集

初詣

新しい年が始まります。その年に初めて氏神様にお参りするのが「初詣」です。本来は、大みそかの日没をその年の終わりとしたことから、初詣は大みそかの夜から元日にかけてするものでした。

神社に着いたら、一礼をして鳥居をくぐります。参道の中央は神様が通るといわれているため、避けて歩きましょう。

次に手水舎(ちょうずや)で心身を清めます。まず右手に持ったひしゃくでたっぷりと水をすくい、左手に少しかけます。左手にひしゃくを持ち替えて、右手にも少しかけます。また右手にひしゃくを持ち替えて、左の手のひらに水をためて、口をすすぎます。その左手に水をかけて清めたら、両手でひしゃくの柄を立てるようにして持ち、残った水で柄をつたうようにして洗い流します。手を拭くものをあらかじめ用意しておきましょう。

お参りのときは帽子や手袋を外します。一礼の後に鈴を鳴らして穢(けが)れをはらい、おさい銭を入れます。続けて2回礼をします。両手を合わせて、右手を少し手前に引き、2回かしわ手を打ちます。そこで自分の名前(や住所)、今年成就したいことがあれば、そのために頑張っていることを神様へお知らせして、感謝の気持ちを込めて祈ります。「神頼み」という言葉がありますが、神様には願い事をするというよりも、誓いを立てて見守っていただく、という考えでいましょう。最後に深く一礼します。帰るときも鳥居をくぐったら振り返って一礼します。

喪中の初詣は宗派、地域によって捉え方が異なります。神道では死を穢れと考えるため、おめでたい初詣は控える、忌中(四十九日まで)を過ぎていればよいなど、各ご家庭のしきたりに沿ってください。ちなみに、お寺への初詣は喪中でも足を運んでよいとされています。

地域によって「松の内」を7日、または15日までとしますが、初詣は松の内に済ませ、新しい一年をスタートしましょう。

和文化講師●滝井ひかる

引用元「JA広報通信」