お歳暮とお年賀のマナー
お歳暮はその名の通り「年の暮れ」を意味する言葉です。「歳暮の礼」といって、新年に先祖へのお供えを届け合ったことが始まりとされています。目下の者から目上の方へ一年の感謝の気持ちを贈る現在の形になったのは、江戸時代以降とされています。
年々、百貨店などのお歳暮商戦のスタートが早くなってきていますね。12月中旬を目安に、正月事始めといわれる12月13日からクリスマス前までに届くようにしましょう。日頃お世話になっている方への感謝の気持ちですから、本来はお歳暮を贈ったらお中元も贈ります。どちらか一方でしたらお歳暮が良いでしょう。贈る品は、食べ物でしたらクリスマスやお正月に皆さんで召し上がっていただけるもの、お正月休みまで賞味期限があるもの、を考慮しましょう。
年末年始に家を空けるご家庭もあるかと思います。お相手の好みや予定、地域の風習によって、贈る品や時期については臨機応変な心遣いが必要です。直接お届けしない場合は、贈った旨を伝える送り状を出します。お相手との間柄によって手紙、はがき、電話、メール、SNSにするのかを判断しましょう。
一方で、お年賀は新年のごあいさつに伺って直接お渡しすることが多いかと思います。元旦から松の内までに贈るものとされています。地方によって松の内を1月7日までとする場合と、1月15日までとする場合があります。新年のごあいさつですから、年末に繰り上げて渡したり、松の内を過ぎて贈ったりすることはありません。
お歳暮やお年賀の水引は何度あっても良いことから、ほどけて結び直せる紅白のちょう結びが基本です。熨斗(のし)も付けます。お歳暮の時期に遅れたら「お年賀」に、お年賀の時期に遅れたら「寒中御伺」に表書きを変えて、感謝の気持ちをお贈りしましょう。
和文化講師●滝井ひかる
引用元「JA広報通信」