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住宅ローン控除の概要と今回の改正

住宅ローン控除とは、JAなどの金融機関から融資を受け、自宅を新築または購入した場合、その自宅に入居した年から一定期間「その年の年末住宅ローン残高×控除率」により計算した金額を所得税額から控除するという特例です。ただし、年末住宅ローン残高が住宅の取得価額を超えるときは、その土地・家屋の取得価額が計算の基礎になります。

今回の改正では、控除率が1%から0・7%に引き下げられるとともに、年末ローン残高限度額や控除期間が新築・取得した住宅の種類などに応じ細かく変更されました。例えば、2022年または2023年中に一般住宅に新築・入居したときは、ローン残高限度額は3000万円、新築の認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合はローン残高限度額は5000万円になります(控除期間はいずれも13年)。一方、一般中古住宅はローン残高限度額2000万円、控除期間は10年です。

なお、注文住宅について2020年10月1日から2021年9月30日までに建築請負契約を行い2022年12月31日までに入居したとき、もしくは、分譲住宅・中古住宅について2020年12月1日から2021年11月30日までに購入契約を行い2022年12月31日までに入居したときは、改正前の規定を選択することができます。これらの条件に当てはまるときは、「改正後の住宅ローン控除」と「改正前の住宅ローン控除」のどちらを選択するか検討する必要があります。

改正前の住宅ローン控除は、消費税率10%が適用される住宅を新築・取得した場合、入居した年から10年目までは控除率1%、11年目から13年目までは「年末借入残高×1%」と「建物の購入価格(消費税抜き)×2%÷3年」といずれか少ない方の金額を控除することができます。ローン残高限度額は一般住宅の場合は4000万円、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合は5000万円になります。

JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問税理士●柴原 一

引用元「JA広報通信」