還付申告と還付加算金
日本は西暦と和暦を併用し、さらに「年」と「年度」という考え方が混在する複雑な社会ですが、所得税は「年」で計算します。所得税の確定申告は、毎年その年1月1日~12月31日までの所得を、翌年2月16日~3月15日の間(令和6年度分は曜日の関係で令和7年2月17日~3月17日)に申告します。しかし、所得税の還付を受けるための申告は確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。つまり、2月16日を待たずに年明けすぐに提出しても構いませんし、3月15日を過ぎても最大5年間は提出可能です。還付申告となる可能性があるのは、例えば「今年から住宅ローン控除の適用を受ける」「多額の医療費を支払い医療費控除を受ける」「前年の所得が高く予定納税したが、今年の所得は低かった」というような方です。また、令和6年に関しては定額減税により還付になる場合もあります。申告期間中、税務署は相談などでとても混み合うので、還付申告をする方は早めに取りかかることをお勧めします。
所得税の還付申告をすると、一定の手続きを経て還付金を受け取れます。その際には、払い過ぎていた税金に対しての利子のような性質の還付加算金が加算されることがあります。利率は、本則によると年利7・3%ですが、現在は金利が低いので特例基準割合による利率となっていて、だいたい1%前後です。
本来、自分のお金が戻ってきただけなのに、還付金を受け取るとなぜか得をしたような気分になりますね。さらに加算金まで付くなんてラッキーと思ったそこのあなた。還付加算金は雑所得に該当します。還付加算金を受け取ったら、翌年の確定申告時において雑所得として申告するのを忘れないでください。雑所得は他の所得と合算され課税標準を構成し、超過累進の税率により課税の対象となります。
JA全中・JAまちづくり情報センター 顧問税理士●柴原 一
引用元「JA広報通信」