コラム日和
知って納得! 税金講座

庭内神し

散歩しているとたまに庭の一角に、不動尊、道祖神、稲荷などを祭っているお宅を見かけます。これは、庭内神し(ていないしんし)と呼ばれるもので、庭内神しの敷地の評価は相続税法上、非課税財産として取り扱われます。

庭内神しとは、一般的に、屋敷内にある神の社や祠(ほこら)などといったご神体を祭り、日常礼拝の用に供している物をいいます。ご神体とは、不動尊、地蔵尊、道祖神、庚申(こうしん)塔、稲荷などで、特定の者、または地域住民の信仰の対象とされているものです。

次の観点から、その設備と社会通念上一体の物として日常礼拝の対象とされるといってよい程度に密接不可分の関係にある相当範囲の敷地や付属設備である場合には、その敷地および付属設備は、その設備と一体の物として相続税の非課税財産の対象となる物として取り扱われます。

①庭内神しの設備とその敷地、付属設備との位置関係やその設備の敷地への定着性その他それらの現況等といった外形
②その設備およびその付属設備等の建立の経緯・目的
③現在の礼拝の態様等も踏まえた上でのその設備および付属設備等の機能の面

つまり、相続税の租税回避を目的として、ただ社などを設置しているだけでは、庭内神しとは認められないということです。
評価をする際の注意点としては、この庭内神しの敷地は登記簿上分筆されていないことが多いため、面積を自分で測る必要がある点です。庭内神しの敷地部分を区分すると、自宅の敷地が不整形地になる場合がありますが、庭内神しの敷地を除くことによるかげ地部分は、不整形地補正率のかげ地部分には含まないで評価します。

引用元「JA広報通信」